高橋治人さん(59)、団塊世代の先陣を切る1947年(昭和22年)生まれ。人口2、500人ほどの漁業の町、大分県佐伯市米水津(よのうづ)に本社がある高橋水産株式会社、社長で地元水産加工会社16社が加入する米水津水産加工協同組合の組合長でもある。この組合を年間売り上げが約50億円に上る全国有数の地域ブランド産地に育て上げた。
1971年(昭和46年)、関東の大学を卒業した高橋さんは家業を継ぐことを決意。水産業界を知るため大阪魚市場に就職した。毎日午前2時に起床し3時から12時まで働きどおしだった。高橋さんはこの時、生産から消費までに荷受や仲買などが入る水産業の流通システムに疑問を持ったという。実はこの時の体験がのちに産地と量販店、消費者を直接結び、飛躍的に売り上げを伸ばした“流通業界への挑戦”に活きるのであった。
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