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 気になるスポット 更新日:2007.2.5
”安心院の 鏝絵(こてえ)散策”

安心院の 鏝絵 鏝絵(こてえ)の撮影・取材のため1月31日、大分県宇佐市安心院町(あじむまち)を訪れました。当日は3時間ほどかけて、安心院町観光協会の事務局長、糸長奎一さんに案内・説明していただきました。途中、鏝絵の制作を受け継いでいる永田知徳さんに偶然お目にかかり、安心院の鏝絵の技術や現状について貴重なお話を聞くことができました。

 鏝絵は家や土蔵の壁などに描かれたレリーフのことです。平らに塗られた漆喰の壁に左官さんがコテを使って浮き彫りにしたものです。
材料は石灰、海藻苔などを練りあげたもので、色付けをする顔料には古くから伝わる岩絵の具が多く使われています。

安心院町から見た由布岳

大分県内には600点を超える鏝絵が杵築市や日田市などに分布。このうち、安心院には明治時代の初めからつくられた鏝絵が70数か所にあります。鏝絵が大分県内に多くある背景には左官職人が多くいたことと、漆喰の材料の石灰がとれる津久見の存在が大きいといわれています。

 
安心院の鏝絵は恵比寿、大黒など七福神や龍、虎、鶴・亀など幸福を招く祈りがこめられた図柄が目立ちます。なかには、大黒が福禄寿(外法)のツルツル頭を散髪する姿を描いたユーモアたっぷりのものもあり楽しませてくれます。


安心院の 鏝絵
重松公子さん宅の壁などには
龍・虎・三階の松・富士山の
四つの作品が描かれています。




← (明治17年制作・職人 長野鐵蔵)
安心院の 鏝絵
重松公子さん母屋妻壁 「龍」
  安心院の 鏝絵
      重松公子さん母屋妻壁 「虎」

安心院の 鏝絵
白佐春海さん宅 蚕部屋「恵比寿」
(明治43年制作・職人 佐藤本太郎)

  安心院の 鏝絵
        恵比寿様は商売繁盛の福の神
安心院町の鏝絵は恵比寿、大黒などの定番に加え、ユーモラスでバイタリティあふれたものが多く残っています。

安心院の 鏝絵
永田九州男さん宅 母屋戸袋に「鶴」
  安心院の 鏝絵
    「鶴」(明治18年制作・職人 山上重太郎)

安心院の 鏝絵
 鏝絵の制作を継承している
 永田知徳さんに出会いました。
  安心院の 鏝絵
  今、制作している鏝絵は「虎」ですが、 厚みが実測で
  6センチ余りありました。

  鏝絵のコテは左官さんのコテよりちょっと小さめです。
安心院の 鏝絵
鏝絵制作を継承する
永田知徳さん(宇佐市安心院町)

  安心院の 鏝絵
         もうすぐ完成する 「虎」

 今、安心院に残されている鏝絵は匠の技が施された家とともに60年から100年の歴史を刻み、風雪に耐えてきたものです。家の新築や改築で年々少なくなっていますが、鏝絵を新しい家に移すなどの保存方法がとられています。「なかには崩落しそうなものもあり、個人所有のため保存するのが大変難しい。なにかいい方法がないでしょうか?」と糸長事務局長は解決の糸口がつかめない様子。
 現実は厳しい状況ですが、鏝絵に興味を持つグループ、地元の保存会の取り組みも行われており、なんとか保存活動が前進するように思いを巡らせています。

                            取材/撮影/文 渡辺隆司
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